2008年04月04日 (金) 19:02 | 編集
2008年04月01日 (火) 23:32 | 編集
「つぎ、代打いくぞ」ベンチが動いた。
シーズン最終戦。最終回ツーアウトランナーなし。5点のビハインド。もう随分と前に選手としてのピークを超えた往年のスラッガーは、コーチの声にゆっくりと、しかし大きく頷いた。
「代打、ミイ。背番号、19」予想外のアナウンス。ホームチームの敗北を確信しグラウンドに背を向け出口通路に列をなしていたファンが一斉に振り返る。
パパパーパパーパパー
ミイのコンバットマーチ、サライだ。何年もの間、何百回と奏されてきた。だが、きっともう、この場所でサライを聴くことはないだろう。ミイは今期限りでの引退を表明していた。
これが、最後の打席だ。
「かっとば っとばせー!ミー ミーイ!」悲鳴のような歓声が球場に木霊する。
ミイは痛めた左膝を庇うようにバットを杖にして、ただ、静かにバックスクリーンを見つめていた。
ピッチャー、おおきく振りかぶって、第一球。どまんなか。敬意を込めたゲーム最速のストレート。
ミイのバットが、まるでコロッセオの剣闘士が振り下ろす大きなサーベルのように、ゆるやかに重いスイングをはじめる。
腰、胸、肩。体軸の回転に、ひらミニがしとやかに揺れる。
パンティーがみえた。
いろはYELLOW。
打球は。内野ゴロだった。
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